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   北海道食糧新聞2008年5月25日
   
   
   総会終了後、平塚正雄氏(登別市・道南平塚食品社長)が

「遺伝子組み換えに反対する団体があり、簡易検査キット提供している。

また、GMOが普及しているアメリカの現状を伝える記録もある」と、

現地での取組易をDVDで伝えた。

   (平塚氏)「インターネット上に『ストップ遺伝子組換え汚染種子ネット』という団体のサイトがあり、

GMOの簡易検査キットとDVDを取り寄せた。

我々は食品工業のプロとして、消費者団体や有機農業に取り組む人たちの取組みを

知っておく必要がある」。

 検査キットは5千円で、10回の検査ができ、アメリカでも使われている。

DNAレベルでの検査が約2万円かかるのに対し同キットはテストペーパー方式で、

遺伝子組み換え植物がつくるタンパクに反応する。

(例=Neoge n社のラウンドアップ耐性タンパクGP4の検出など)。費用も500円ど安上がりだ。

    【DVDの内容=要旨】

 人類が初めて種子を栽培したのは1万2千年前。ここから文明が発祥した。

中国では何千種ものコメを育てた。世界中で裁増されたじゃがいもは5千種に上る。

19世紀、アメリカでは70種ものリンゴが栽培されていた。 

第一次大戦に使用された窒素による爆弾が化学肥料開発の道を開いた。

第二次世界大戦に使われた神経ガスが殺虫剤に姿を変えた。

DDTが時代のヒーローになった。新しい技術により、農業生産が増え、価格が下がった。

この技術基薪が、品種改良に後押しされ、20世紀半ばまでに緑の革命をもたらした。

その後数十年、生産量の増加はめざましかったが、

広大な土地にたった1種類の作物を栽培するモノカルチャ−が、

害虫に付け入る隙を与え、やがて大災害に発展した。

ほんの数種類のジャガイモしか作っていなかったアイルランドでは、

ジャガイモに病気が蔓延し100万人もの人々が餓死した。

 20世紀初頭に栽培されていた野菜品種の97%が姿を消した。

遺伝子が単純化すると病害虫への耐性が弱くなり、農民は農薬散布に追われるようになった。

化学肥料・農薬・除草剤の増加が生産コストを上げ、水質汚染と健康被害を生み出した。

 モンサント社が発売した除草剤「ラウンドアップ」は、

ほとんどの雑草を駆除し、史上最も普及した除草剤となった。

 1990年代半ばに入ると、遺伝子革命の時代が始まった。

モンサントは種子の遺伝子操作という新しい技術に投資し、ラウンドアップレディを完成した。

ラウンドアップはいかなる種子も枯らしてしまう。生き残る種子はラウンドアップレディだけだ。

 除草剤企業が、種子の販売に魔の手を個はしている。

除草剤を使う、使わないの選択はできない。

ラウンドアップレディは除草剤使用と不可分な種子として生まれた。

同社のBTコーンは、それ自体が殺袋剤として登録されている。

全細胞が殺虫蕃素BTを産出するように操作されている。

とうもろこしの害虫は、どの部分を食べても死んでしまう。

化学物質を食べ物に添加するだけでなく、細胞レベルで遺伝子を工業化したのが遺伝子工学だ。

   
     遺伝子革命の最大争点が、種子の特許だ。

特許庁や議会が、200年以上にわたって種子に特許を認めなかった。

食用作物の特許は、倫理的理由で米国悪法が特許の対象外としてきた。

 1930年代以来、育種家に特許を取得する権利が与えられていたが、

第二世代以降の種子は特許の保護範囲ではなかった。

 1978年、GE社のチャクラバーディー博士は、原油を分解する微生物をつくり出し、

特許取得に挑んだが、特許庁は却下した。微生物は特許の対象になり得ない。

しかし彼とGE社は諦めず、ついに最高裁で、遺伝子操作による微生物の特許を

一票差の評決で勝ち取った。

 しかしその微生物は、流出した原油以外にも多くのものを分解してしまうため、

活用されることはなかったが、こうして遺伝子特許への門戸が開かれた。

レーガン政権時代、動物・ヒト遺伝子、さらに人体組織にも特許を求める声が上がった。

企業とすれば、特許の遺伝子を組み込んだものが動物か植物かを問わずに所有できる

と言いたいのだろう。

アメリカでは憲法の制約があるが、そうでない団では人も例外でないかも知れない。

生命特許についてアメリカ議会も国民も、その賛否を問うことをしていない。

  1995年、モンサントは種苗会社を次々と買収し始めた。

企業はこぞって、遺伝子操作をしていない種子にまで特許申請是めた。

必要条件は 「まだだれも特許を取っていない」という一点でよかった。

 多様性を維持するため、アメリカ政府は長年にわたって種子を蓄えてきた。

企業は政府の種子バンクに入り込み、特許のない種子を見つけて特許を取り始めた。

 モンサントは推定1万1千の特許を持っている。

企業の狙いは、自社特許以外の全ての種子を排除し、農業を支配することにあった。

 
この特許問題に対し、カナダのバーシー・

シユマイヤーは正面からぶつかった。

主に小麦、キャノーラ、オート麦、グリーン

ピースを栽培してきた。

祖父母がこの国にやってきた時代は、

種苗会社などなく、自分で種を育てるか、

分けてもらうか、

ヨーロッパから持ってくるしかなかった。

 パーシーは有名な育種家で、

長い間種子を採取してきた。

 1997年、バーシーが例年通りに

ラウンドアップを散布した圃場に、

枯れないキャノーラがあることに気づいた

。それを聞きつけたモンサントは、

彼の農場にこっそりやってきて、

菜種から種子を勝手に採取し

「ラウンドアップレディーのキヤノーラが混

入している」と言い出した。

98年、パーシーはモンサントに

訴えられた。「パーシーが、ラウンドアップ

キヤノーラの種子を不法に入手した。特許

侵害だ」。

 ある朝突然、他人のキャプレターが自分の車に付いていて、

特許侵害で訴えられるなどということはない。

遺伝子組み換え技術では種子特有の性質があり、自然界に放つと目然に拡散してしまうのだ。

 裁判開始前、モンサントはパーシーに対する 

「種子の違法入手」という申し立てを全面的に撤回した。

その上で「種子がどのような経路をたどったかは問題でない。

パーシーの畑にあること事態が特許侵害だ」という のだ。パーシーの畑は、

幹線道路の東側」にあり、特有の西風が吹いている。

トラックから飛ばされた種子は当然、バーシーの畑に落ちる。

 この裁判の争点は、新しい技術を開発した会社の権利と、

一般の人々の権利の境界をどこに置くかということだった。

結果的に、農民の農地内に境界が引かれてしまった。パーシーは、

何十年も育ててきた種子を処分した。

 また、ある農家は、3千850エーカーの自分の畑に作付けした大豆について、

モンサントは 「サンプルを全部持っている。特許侵害だ」といってきた。

もし事実なら、モンサントは20秒ごとにサンプルを採取し続けた計算になる。

 モンサントが農家に送りつけた手紙はおよそ9千通。

農家の多くは、訴訟を避けるため支払いに応じる選択をした。

それでも、アメリカ全土で現在」100件の訴訟が進行している。

また、モンサントと和解する場合、和解内容を他言しないという条件がつけられる。

 特許が、農民の権利以上に力を持ち始めた。

普通のキャノーラと、遺伝子組み換えキャノーラが半分ずつの畑を見ても、

どこから別の種子なのか見分けることはできない。見分ける方法はただひとつ。

ラウンドアップを散布してみることだ。

枯れたら自分の作物、枯れなければ遺伝子組み換えキャモーラだ。

 この2カ月に100件近い電話相談を受けた。全く見たことのないキャノーラを見かけた、というものだ。

いまや、北米大陸でモンサントの遺伝子組み換え種子に汚染されていない農場を探すのは

至難の技となった。

 牧畜業者は、他人の作物に被害を与えないように、自分の農場に柵を巡らす。

牧場近くの農家が、牧場の動物から作物を守るため、自分の畑に珊を作ることはない。

 ところが今、新しい技術から自分の作物を守ろうとする側が、柵をつくる時代になってしまった。

もちろん、完璧に防ぐ柵をつくることなど不可能なことは明らかだ。

     ◎

 全ての種は、何百万年もの時間をかけて、異なる種のDNAから身を守る、

巧妙に種の壁を作り上げてきた。動植物に新しい性質を組み込もうとすれば、

その壁を打ち破らなければならない。

 遺伝子工学が始まった30年前は、ひとつの遺伝子がひとつの性質を示し、
たとえ種の壁を越えたとしても、組み込んだ遺伝子は安定していると考えられていた。

 1975年、遺伝子組み換え技術に対する安全性と倫理をテーマにした会議が開かれた。

生物学者の中には、技術的な安全性が確立するまで、

研究開発を凍結すべきと警鐘を鳴らすものもいた。

 現在、農業と医療に遺伝子技術が取り入れられている。

特に医療においては、人の生命を救う製品が多数開発されているのも事実だ。

 遺伝子技術の医薬品は、安全管理の厳しい研究室内で研究が進められている。

これに対して遺伝子組換え作物は薬と違い、ひとたび自然界に放たれると、

人はコントロールできない。


     
食品へのバイオテクノロジー利用は、

最近に始まったことではない。

人類は6千年前からイーストでパンを膨ら

ませ  、発酵によるビールやワインを楽し

んできた。

だから、遺伝子組み換え作物も取り立てて

新しいものではない、とする論理は、

この場合に全く当てはまらない。

 遺伝子工学は、食料生産を激変させる。

ヒラメの遺伝子をトマトに組み込み、

低温に強いトマトをつくるという話を耳にし

たとして、ヒラメの遺伝子がどうやってトマト

に入り込むのか、

多くの人々は皆目わからないだろう。

実際の方法は、細菌と遺伝子を使って

ヒラメの遺伝子をトマトに入れる。

 
 モンサントは、ラウンドアップ除草剤に抵抗力を持った土壌菌を発見した。

目的は、除草剤に耐性のある遺伝子を「さまざまな植物に組み込むことにある。

ラウンドアップに抵抗力のあるDNAの配列を切り出し、

このままとうもろこしに組み込むだけでは何も起こらない。そこへ、大腸菌が登場する。

大腸菌に隙間をつくり、2本の試験管を混ぜ合わせる。

これにより、ラウンドアップに耐性の配列を取り込む大腸菌が出てくる。

このDNAを、目的のとうもろこし細胞にしのばせる。

細胞には、外来DNAを拒絶する性質が備わっているため、

植物に親和する土壌菌を使う方法を開発した。細菌を使ったDNAを、植物細胞の核に運び込む。

この他にも、細胞壁を通過してDNAを組み込む2種類の方法がある。

ひとつは、細胞に電流を流して小さな穴を開けて外来DNAを浸透させる。

もうひとつは遺伝子銃。金の微粒子に組み替えDNAをコーティングして打ち込む。

 これら3種類の方法には、さらにプロモーターと呼ばれる、

目的の遺伝子を発現させる遺伝子が必要だ。

カリフラワーモザイクウイルスに由来するプロモーターが利用される。

細菌やウイルスが、さまざまな形で哺乳類に進入できることから、

人々はバイオテクノロジーに危機感を抱いている。それが正体だから。

 遺伝子をある生命体から則の団体に移し、通常は定着しないはずのものを、

まるで細菌ウイルスのように、細胞に侵入させ定着させる。

それに加え彼らは、抗生物質耐性マーカーを利用している。

特定の抗生物質に抵抗力を持つ遺伝子だ。抗生物質体制マーカーが、

遺伝子組換えの中でどのような問題を引き起こすかは、誰もわかっていない。

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